こんにちは。苫米地式コーチング認定コーチ 山本敦志です。
今回は自分を探すことについて考えてみようと思います。
コーチングを教えていると、多くの人が自分の中にある本当のゴールを探そうとします。その際に人をみて強く感じることがあります。
多くの人が自分の中にある何か確定的なものを探し出そうとする傾向があるということです。例えば天職といった職業があるなら、ほとんどの人がその天職に出会いたいと思うのではないでしょうか。自分はこれをするために生まれてきたんだ!という感覚を得たいと思うのではないでしょうか。
今の社会を見渡してみると、職業を一度決めると一生その仕事をする人が少なくありません。
そんな社会の中では、自分にとって何か確定的な向いている職業があってそれに出会いたいと思うのも無理はないように感じます。
しかし、心とは常に揺れ動いているものであり、決して確定的なものではありません。
今日これがしたいと思ったことが明日もしたいと思っていると確定していないということは理解できる話ではないでしょうか。
私たちが才能であったり、成功であったりといったものを望む中で何か確定的なものが先にあってそれを自分の中から見つけ出したいと思っても上手くはいかないのは人の心が確定的なものではないからです。
それでもまた人は確定的な何かを追い求める。
私たちは成功に向けたサクセスロードを歩むべきです。でなければ、今日も明日も10年後も成長のない人生を歩むことになってしまいます。
人にはいくつになっても現状の外のゴールが必要なのです。
しかし、それと何か確定的な自分を探すこととは分けられなければなりません。
自分の心は常に揺れ動いているものであり、捉えることが出来ないものであるという自覚があった上で、ゴールを真剣に追い求めていく。
感覚的表現で言えば、この世の中は幻想である。
幻想であると知った上でゴールを真剣に求めていくということです。
幻想ではあるものの確かに感じるものもあります。それは自分がそれが好きというような感情です。心からあふれてくるこのような感情こそ一番大切にしなければなりません。
このような感情は確かにあるものの、雲のように揺れ動いているものです。
だからこそ、心は揺れ動いているものなのです。
先の職業の例で言えば、先に自分の感情の「好き」、これをやっていたら「うれしい」が先にあって、それを他の人と共有したり、他の人の役に立ったりするときに職業となるのです。
当然、その感情は明日も一緒とは限りません。
しかし、逆に言えば明日も明後日も10年後も同じ感情かもしれません。
10年間も好き、やりたいを維持することができるようなものに出会えれば、それはこの世の中では成功と言われる功績を当然残しているでしょう。成功とはそのようなものです。あのイチローは野球を始めてから今までそれが維持できている人と解釈してください。
確定的な自分などありません。
その瞬間にやりたいこと、好きなことがあるだけなのです。