苫米地式コーチングの根底に流れる基礎知識である情報空間と物理空間の関係性の話をしてみたい。
苫米地式コーチングではマインドと呼ぶが、
スポーツの世界ではメンタルと呼ばれることが多い。そしてメンタルに対してフィジカルがあり、区別されている。
精神と肉体
あなたはこの二つをどのように捉えていますか?
二つのバラバラなものであるとまでは思っていなくても、メンタルとフィジカルが同じものだとも思わないのではないだろうか?
まずは用語を統一するが、マインドと体という風に表現していく。
マインドと体は完全に関係している。
そこに疑問はないだろう。
するとどんな風に関係しているのか?
ここが今回のテーマである。
情報空間とはマインドの世界である。マインドで持ってアクセス可能な世界である。アニメや映画など誰かの頭の中で作り出される世界は情報空間のなかで作り出される。
物理空間とはその作り出された世界を表現するために、たとえば本の紙や映画のスクリーンなど色や形のあるものが使われたりする。その世界だ。木や森、水や川、海などの自然も物理空間に存在している。
人間はというと物理空間と情報空間の両方の宇宙に存在しているといえる。
人間だけではなく生命体はこの両方の宇宙に存在している。
あなたもマインドを持っているわけだが、マインドは情報空間に存在しているという感覚を持てるだろうか?
だって、あなたのマインドを見せろと言われても物理的に見せることができないでしょう。
物理的にないのであればないじゃん!などと文句を言われても いや、あるよ!と思うでしょう。
あるよという場所が情報空間だと思ってくれるとよい。
となると、あなたは最終的に超一流アスリートとして物理的な体が、すごいパフォーマンスを発揮するようにしたいわけだ。
とはいっても体だけ、鍛えても、それが叶わないことは今までの経験でも知っていると思う。
やっぱりマインドが大事だよな。なんて思っているだろう。ちなみにもし思っていない人は論外だ。
冒頭で触れたが、マインドと体はふたつの別々のものではない。強烈に関係している。
その関係とは
そうその関係とは
マインドが因であり、体は果なのである。
あなたのマインドがあなたの体を作っている。
しっくり、くるだろうか?
あなたの情報空間でつくりあげたあなたの像があなたの体であるということ。
あなたの情報空間でつくりあげたあなたの像があなたのパフォーマンスであるということ。
あなたの情報空間でつくりあげたあなたの像があたなの順位であるということ。
この感覚を身につけてほしい。
マインドが体を作っているのだ。
メンタルとフィジカルという感覚ではない。二つの違ったものという見方をしているという意味ではこの捉え方は間違っている。
情報空間におけるマインドを変えると物理的肉体に影響を及ぼし変化する。
だからマインドが重要なのだ
メンタル7割、フィジカル3割とかメンタル半分、フィジカル半分とかではない。
マインドが100%であり、その結果が体である。
マインドが俺は世界一の野球選手だと決めたから、フィジカルもそれに追随して世界一の野球選手の体になるのである。
脳と心、意識、無意識、これがマインドだ。このマインドをセットする。そうゴールに向けてセットする。
するとマインドの中の無意識があなたをゴールに連れて行く。
僕の感覚ではメンタルとは無意識というより意識のことだけを指しているように聞こえる。あくまでも一般に使われている言葉の僕の感覚だが・・・
人間の活動はほとんど無意識が動かしている。
その無意識を使わずに超一流アスリートへはなれないと思うんだ。
だからこそ
マインドの重要性を今一度考え直してほしい。
もう一度、言っておく。
マインドが全てだ!!
今回はゲシュタルト
ゲシュタルトとは抽象度をひとつあげるとそれまでは低い抽象度ではバラバラに見えていたものが整合的なひとまとまりのものとして認識できることである。
例えば、街灯。一つの街灯つまり電気の球だけ見ているとそれが街灯とはわからない。これは何?と質問されても電気の球としか答えないだろう。しかし遠くから眺めてみて、あ、街頭だとわかってからその一つの電気の球をみると街灯と答える。
低い抽象度では電気の球であるが
高い抽象度では街灯となる。
順序が逆になるかもしれないが、抽象度の話は次回にする。
バラバラに見えていたものが、ひとまとまりのものとして認識することができることをゲシュタルトができるという。
部分と全体の関係のことである。
例えば、あなたがバラバラ殺人の指の先を見つけたとしよう。あなたはその指が人間の体の一部であるとなぜわかるのか?
それはあなたが人間の体のゲシュタルトを持っているからだ。全体像を知っているために、ほんの一部分からそれの存在を知ることができるのだ。
これをゲシュタルトという。
ゲシュタルトを知ったうえで、今回は現状(ステータス・クオ)のことについて触れていきたい。
あなたは超一流アスリートへの道を歩き出した。
超一流アスリートへなるためには,何段階か進化をする必要がある。
しかし、進化を妨げるのは現状のコンフォートゾーンであることは以前、触れたと思う。
また、人間の脳はフル回転すると原子力発電所一個分のエネルギーを使うが、消化器官は脳ほど発達していないので餓死してしまうので、自分にとって重要であること以外はスコトーマにしてエネルギーを消費しないようにしていることも話した。
その次の話なのだが、脳のこの機能とはさぼる機能である。見てるのに見ていないのだ。脳は見た気にさせてエネルギーを使わないようにしている。なんと我々が見ているのは記憶なのである。
脳は一回見たものは見ない。以前見た記憶と照らし合わせて記憶を見させている。このようにして、エネルギーを使わないようにしているのだ。
現状とは現在の状態とその現在が、そのまま続いていった未来のことまでも含む。
現状からゴールに行きたいのだがゴールへの行き方はスコトーマに隠れて見えない。
見えているのは現状の記憶だ。
現状の記憶の中に進化への道があるわけがない。というか現状の外に飛び出すことが進化なのだから、当たり前ともいえるが。
あなたは今まで
何度も
何度も
何度も
何度も
何度も
同じ現状の記憶を繰り返している。
これではだめだ!絶対に変われない。
ではどうすればよいのか
それはマインドに新しい景色を見させてやるのだ。今まで見たことがない景色だ。
これを新しいゲシュタルトという。
またはゴールのゲシュタルトという。
あなたの現状は超一流アスリートではない。しかし、ゴール側には超一流アスリートのゲシュタルトが存在している。しかし、現状のホメオスタシスが何度も同じ記憶を見させていて引き戻す。
ここをぶち壊すんだ。
ゲシュタルトは二つ同時に維持できないという法則がある。
つまり現状のゲシュタルトとゴールのゲシュタルトは同時に維持できない。
だから、現状のゲシュタルトを壊してしまえば、勝手にゴールのゲシュタルトが選ばれるようになる。
だからこそ現状のゲシュタルトをぶち壊すんだ。
現状のゲシュタルトとはあなたのブリーフシステムそのもの。つまりあなたの価値判断そのもの、もっと言えばあなたの自我そのもののことである。
それをぶち壊すということだ。
あなたが進化するためにはこれは非常に重要なことなのである。
さあ、マインドを変えるための実践編だ。
ゴール側に臨場感を働かせるために必要なのは実は二つだけだ。これを徹底的にやると効果が抜群にあがる。
①セルフトークのコントロール
②アファメーション
セルフトークのコントロールを解説しよう。
まずはあなたが普段何気なく使っている言葉、この言葉があなたにどれだけ影響を与えているか考えたことがあるだろうか。
たとえ、困難なことでも心の中で「俺ならできる」「私にはできる」と思っていればできてしまう。こんなことを誰でも経験したことがあると思う。
それとは逆に「どうせ出来っこない」と思っていたケースはどうだっただろう?恐らくほとんどの場合が本当にできていない。
できることだからできたのか?
できると思ったからできたのか?
答えはできると思ったからできたのだ。
もし、これに対して疑問があっても、ここではそう信じて欲しい。もちろん科学的根拠や理論はあるので説明は可能だが、長くなりすぎるのでここでは触れない。
人はできると思うことができることなのだ。
だからこれからは絶対にできないとは思わない。
そして言葉としても絶対にできないとは言わないことだ。
セルフトークのコントロールとは意識して話す言葉と無意識に心の中で思う言葉の両方をコントロールすることをいう。
このセルフトークを自分の管理下に置く。
そして肯定的な言葉しか使わないように心掛けることだ。
心掛ける?
いや心掛けるでは弱い。
決心にしよう。
自ら語りかけている言葉を意識にあげて常に肯定的な言葉を使うように決心しよう。
今日一日もしくは明日一日自分が心の中でどんな言葉を使っているのか徹底的に意識にあげてみてほしい。
出来れば、
いや出来ればでは弱い。
必ず手首に輪ゴムをつけて下さい!
そして否定的な言葉、弱気な言葉、あなたらしくない言葉を使ったときはそのゴムを思いっきりパチンと引っ張って下さい!
これは無意識の行動を治すために、痛みという信号を肉体に訴えかけて、習慣を変えようとしているのだ。
実践してください。
実践するためには理論を知っていないと実践ができない。しかし理論だけ知っていても何も変わらない。だからこそ実践は徹底的にしてほしいんだ。
今日からは
難しいかもと思ったその瞬間
いや、俺ならできるだろう とすぐ言い直す。
意識的に使うことはもちろんのことながら、無意識に使っている言葉も意識にあげて徹底的にコントロールする。
これを繰り返してください。
続く
これから実践に入っていくのだが、その前に臨場感について解説しておきたい。
現状のコンフォートゾーンにホメオスタシスが働いて引き戻されてしまう。このホメオスタシスをゴール側に働かせることが必要である。
これに成功すればゴールを達成できる。
あなたも一流アスリートの仲間入りだ。
マインドは一つの整合的なまとまりを探している。簡単に言うとマインドは落ち着く場所を探している。現状とゴールが相容れない二つの違った場所だとするなら居心地のよい方を選ぼうとする。
現状とゴールを比べてみた時にもちろん現状のほうが居心地がいい。ずっと今まで慣れ親しんできた場所なのだから。
これが多くの人が変われない理由であり、多くの人が超一流アスリートでない理由だ。
ここでゴール側にコンフォートゾーンを移行させたいのだが、マインドは一体何がコンフォートだと思っているのだろうか。
その答えが臨場感なのである。
臨場感のあるものをコンフォートゾーンだと思っているのだ。
コンフォートゾーンといえば、うれしい、たのしい、気持ちいい場所だと思うかも知れないが、マインドにとってはそんなこと関係ない。たとえ、どんなに苦しい状態がつづいていたとしても、それが死にたいほど苦しんでいたとしても、コンフォートゾーンなのだ。
コンフォートゾーンとは快適な場という、解釈ではなく慣れ親しんだ場である。
苦しい状態に慣れ親しんでいればコンフォートゾーンだということだ。
いったんコンフォートゾーンになってしまうと抜け出したくても抜け出せなくなってしまう。
もう一度言おう。
苫米地式コーチングにおいて臨場感のある場をコンフォートゾーンと呼ぶ。
現状とゴールは現状のほうがはるかに臨場感が強いからコンフォートゾーンとなり、ホメオスタシスの力で引き戻されてゴールが達成されない。
マインドの訓練とはゴールにホメオスタシスを働かせるための手法だ。
ということは、ゴールの臨場感を現状の臨場感よりあげる方法なのだ。
ゴールの場に慣れ親しむこと。
ゴールの臨場感をあげること。
是非覚えておいてほしい。
続く
7回にわたってコーチング理論の用語の解説をしながらマインドのカラクリを説明してきた。
理論のまとめとして全体像をもう一度見てみよう。
あなたはアスリートで、プロやオリンピックを目指している。またはプロでのキャリアを上げたいと思っている。
しかし、どうしていいのかわからない。
ここで苫米地式コーチング理論を知ってパフォーマンスをあげることに役立ててほしいというところからスタートした。
そこで、あなたにはマインドがありマインドこそがあなたのパフォーマンスを制限しているものであり、逆にパフォーマンスを劇的に向上させるものでもあると知ってもらった。
そしてそのマインドのカラクリを知ることにより、自分の脳やこころのなかで何がおこっているのかを知り、コントロールすることができることを目指した。
我々の認知にはスコトーマがあるために重要であることだけを認識し、重要でないことは認識に上がらない。この機能により生み出されているブリーフシステムによりあなたの現在の状況は決定されている。
ブリーフシステムを変えて超一流アスリートへの道を目指すために必要なことがゴールである。
しかもそのゴールはコンフォートゾーンの外に設定しなければならない。
コンフォートゾーンの中のゴールは最適化であり、進化への道にはならないからである。
コンフォートゾーンの外にぶっ飛んだゴールを設定した。
もちろんそれだけでは人は変わらない。
それは現状のホメオスタシスという機能が働き、あなたを元の状態に戻そうとするからである。
それは生体の安全の欲求と結びついているために強力なちからであなたを引き戻そうとする。
それに打ち勝って、ゴールを達成するためにはゴール側にホメオスタシスを働かせるということが必要になってくる。
そのエネルギーは俺なら必ずそのゴールを達成できるというエフィカシーが生み出してくれる。
エフィカシーとは今までの実績ではない。過去は全く関係なく、根拠のない「俺ならできる」というパワーなのだ。
こう見てみると最終的にエフィカシーがどれだけ大事かが分かってくる。
コンフォートゾーンの外に現状では絶対達成不可能なゴールを設定して、そのゴールを俺なら必ず達成できるというエフィカシーをガンガンに高めていくということがコーチング理論なのである。
理論はわかって頂けただろうか。
この理論は非常に重要だ。もう一度このブログや苫米地博士の本を読みなおしてほしい。
そしてきっちりと理論がはらに落ちたところで実践編に突入していこう。
実践編とはマインドのカラクリを知ったうえで次に、このマインドを訓練していくのである。
訓練なしではマインドも変わらない。
あの北京五輪で金メダルを8個もとった競泳選手、マイケル・フェルプスも実践していた手法である。
そのカギは臨場感だ!
続く
進化するためにはコンフォートゾーンの外にゴールを設定するということはすでに話した。
そしてゴールに到達するエネルギーはエフィカシーによりつくられる。
エフィカシーとは
定義はゴールを達成させる能力の自己評価だ。
エフィカシーが高ければ勝手にゴールは達成されてしまう。逆にエフィカシーが低ければゴールは絶対に達成されない。
このはなしをドラゴンボールの悟空のはなしをつかって説明してみよう。
ドラゴンボールは知らない人はいないという前提で進めるので、もし知らないという人は先に読んでください。おもしろいですから。
悟空は新しい敵が現れる度に強くなっていく。まあアニメや漫画や映画なんでもこのようなストーリーだが、逆にいうと普遍的テーマなのだと思う。
フリーザが現れた時などはこのままでは絶対に勝てないという状態に陥った時、悟空はどうなったかというと伝説の戦士スーパーサイヤ人に変身した。
これは究極の壁に遭遇したときに個体を進化させた。ということだ。
だって髪の色も、髪質も変わっていたのだから。DNAレベルで進化したとしか言いようがない。
一流アスリートへの道も同じで何度か個体として進化しないと越えられない壁を感じたことがあるのではないだろうか。
悟空はフリーザとの戦いの中で確かクリリンを殺された怒りで(記憶で書いているので間違っていたらごめんなさい。)覚醒する。
それが怒りという感情をきっかけとしたが、中身はこいつは絶対に倒す。という決意であったろうと思う。
自分より圧倒的に強い相手に、絶対に自分が勝つと心から思わなければいけない。のだ
悟空は私が予想するに、それまでは負けるかもと思っていたが、怒りで覚醒した瞬間フリーザを倒しているイメージを持ったのだと思う。その結果、肉体が劇的に進化したのだ。
ここが重要なところだ。
運よくスーパーサイヤ人になったからフリーザに勝てたのではない。
絶対に倒すと決意した(ゴール)。だからマインドはフリーザを倒しているイメージを探した。そのイメージに合致するように肉体を進化させた。その結果がスーパーサイヤ人なのだ。
ドラゴンボールがファンタジーの世界であり、例えとしてイメージはしやすかったかもしれないが、リアリティとしては低かったかもしれないが、これが認知科学をベースとした苫米地式コーチング理論である。
まずはゴールそしてそのゴールを俺なら、私なら必ず達成できる。というエフィカシー。
この二つが相まってゴール達成へと導かれる。あなたを進化させてくれる。
エフィカシーを高めてあなたのマインドの中のフリーザを倒してほしい。
続く
コンフォートゾーンの外にゴールを設定する重要性は知っていただけただろうか。
今回はホメオスタシスの説明をして行こうと思う。
ホメオスタシスとはもともとは医学用語で恒常性維持機能のことをいう。
たとえば、人間の体温は36.5度前後の一定の値を常に維持している。ウイルスの侵入などで一時的に体温があがったとしても、体は汗をかいたりして元の体温に戻すように働く。逆に体温が下がったら震えたりして体温を上げるように働く。
エアコンも28度設定にしたら、29度か30度になればスイッチがオンとなりエアコンが働き、26度か27度になるとスイッチがオフになり、設定した28度に戻すように働く。
つまり、ホメオスタシスとは体温などのように一定の状態、恒常性を常に維持し続けるという機能のことである。
もともとホメオスタシスは物理次元において説明された原理だったのだが、苫米地博士はホメオスタシスは情報空間にまで広がっていると唱えた。これをサイバーホメオスタシス仮説というのだが、詳しくはまたの機会に話すとして、ここで理解してほしいことは
人間のマインドも同じようにホメオスタシス機能が働くということだ。
どういうことか?
たとえば、現在では日本で30番目のランキングの男性アスリートがいたとしよう。彼がオリンピックの金メダルというゴールを設定した。ゴールとしては日本で一番でもないのにオリンピック金メダルを目指すのだから、ぶっ飛んでいてとても良いゴールといえる。
だだしマインドはというと
私は日本で30番目である。というホメオスタシスが働いてしまうのだ。
つまりランキングが上がって、20番目になると無意識はそこは自分のいる場所ではないコンフォートゾーンではないという機能が働いて、次の試合で負けて自分をコンフォートゾーンに戻そうとするのだ。
次第に、私はせいぜいランキング20番が精一杯の選手であり、オリンピックで金メダルをとることなんて出来っこないというブリーフシステムを形成してしまう。
リーグ2位のコンフォートゾーンを持っているチームは
2位のホメオスタシスにより優勝することができない。
オリンピック出場できるかどうかのコンフォートゾーンをもつアスリートは出場が叶ったとしても、オリンピック本大会では一回戦敗退してしまうなど。
このような例は多々あるだろう。
それもこれも、その現状を維持し続けようとするマインドのホメオスタシス機能の仕業なのである。
ではどうするかというと
現状ではなく設定したゴール側にホメオスタシスを働かせるということが必要になってくる。
現状にもホメオスタシスは働くがゴールにホメオスタシスを働かせることができるのだ。
これに成功すれば無意識の働きであなたをゴールへと運んでくれる。
先ほどのランキング30番目の彼は無意識のホメオスタシス機能が働いて負けてしまうと書いたが、ゴール側にホメオスタシスを働かせるとオリンピックで金メダルをとってしまう。
これがマインドのカラクリなのだ。
苫米地式コーチングにおいては
マインドの訓練が必要だ。マインドの訓練とはゴール側にホメオスタシスを移行させる訓練のことなのである。
続く
そんな簡単にマインドを変えることができるなら、誰でもプロになったり、オリンピックで金メダルをとったりできるじゃん!
そんな風に思うだろう。
そうみんなマインドを変えることができないから、変われた人だけが成功できるのだ。
それではどのようにしてマインドをかえていけばよいのかを説明したい。それと共に多くの人がなぜマインドを変えることができないのかもわかるだろう。
マインドは「脳と心」のことであると説明したと思う。
脳の中には人間が古来から生きてきた情報が詰まっている。原始的な脳が考えているのは自分という生体を生きながらえさせたいということだ。DNA情報といってもいい。
苫米地博士がよくたとえを出して教えてくれることに進化の話がある。
ガラパゴス諸島で進化の形態として例えられる、フィンチという鳥がいる。フィンチはガラパゴス諸島に生息する鳥なのだが、その地域によりくちばしの形が違うのだ。
えさを効率よくとるために環境に応じて、くちばしの形を変えてきたのだ。これを一般に進化と呼ばれるのだが、苫米地博士はこれは退化だといいきる。環境に応じて自分を効率よく変化させるということは、いわゆる最適化であり、最適化とは退化である。というのだ。
進化の例で挙げられるのは、魚が陸に上がった時という。魚は海で生きている状態は楽だ。しかし、魚もよい環境のなかで生きていれば数も増えてくるし、
餌にありつける競争も激しくなってくる。そんな時により競争に勝てるように最適化のほうに向かうのではなく、いっそ陸に上がればいいじゃん。陸で生きれたらパラダイスじゃんと。
海から陸に上がろうとした魚がいたとしよう。いや実際いたのだ。そして陸で生きれるようにえら呼吸から肺呼吸へと生体の器官を劇的に変化させた。
これが進化だというのだ。
ここでTコーチングの用語に置き換えて説明すると
魚にとっての海、すなわち自分にとって慣れ親しんだ場であり、リラックスしてパフォーマンスを発揮できる場のことをコンフォートゾーンと呼ぶ。
人間もこのコンフォートゾーンにいてたいと思う生き物だ。生きながらえるためにはそれがいいに決まっている。
魚が陸に上がると呼吸ができないのだから苦しくてしょうがない。
それでも夢をもったのだ。ゴールを持ったのだ。
コンフォートゾーンの外にゴールを設定したのだ。
ゴールを設定しなければゴールを達成することができるわけがない。変わるために必要なのはゴール設定なのだ。
ここでとても大事な苫米地式コーチング理論を覚えていてほしい。
ゴールは達成できそうなゴールではダメということだ。魚が陸に上がったように現状では達成不可能なゴールを設定しなければ脳はあなたを進化させないのだ。
重要なのは最適化ではなく、進化なのだ。進化しなければあなたが感じている壁をこえることができない。
超一流アスリートにはなれない。
進化のために、現状のままでは絶対に無理だと思うゴールを設定してほしい。
その未来のイメージがあなたを進化させていく。
コンフォートゾーンの外にゴールを設定できるアスリートはそうはいないと思う。
だからこそ
コンフォートゾーンの外にゴールを設定したアスリートだけが身体も、技術も、マインドも未知の領域にたどり着くことができるのだ。
続く
スコトーマを外し、今まで見えていなかったものを目の前に出現させる。
苫米地式コーチングにおいてこのことほど重要なことはないといっても過言ではない。
そのための方法論が最終的にマインドの訓練として必要になるのだがその話の前に知っておかなければいけないことがある。
それは我々の脳はなぜ見えないようにする必要があるのか?というテーマである。
それを考察していこう。
答えから先に言うと、そうしなければ生きていけないからである。
この世の中には様々な情報がある。この情報をすべて脳がキャッチして情報処理機能を発揮すれば原子力発電所一個分のエネルギーを必要とするといわれている。脳はそれほどまでに進化しているそうだ。しかし脳の進化に対して人間の消化器官はそれほど発達していないために、物理的にそのエネルギーを供給することができないのだ。もし脳がそれだけの情報処理をしようとすると人間はすぐに餓死してしまうということである。
故に脳は重要な情報だけをとりいれて、重要度の低い情報を振るい落とすという作業をしている。
ポイントはこの重要度である。
それではどのように重要度を決めるのだろうか。
それを決定しているのがブリーフシステムといわれるものである。
ブリーフシステムとはハビット(習慣)とアティテュード(行動性向)のことである。
ハビットはたとえば毎日、歯をみがくといったような習慣のことであり、アティテュードとはコーヒーにしますか?紅茶にしますか?と聞かれたときに無意識にコーヒーと答えるような、無意識の行動の性向のことである。
つまり我々の選択は意識、無意識共にブリーフシステムに従っているのである。
何が重要かどうかは今まで親や、教師を筆頭としてあなたに影響を与えた人達に投げかけられた言葉を、あなたが受け入れることによって生まれたブリーフシステムが決定しているのだ。
現状のパフォーマンスは現状のブリーフシステムにより決定されている。
なかなか壁が越えられないといったアスリートはたくさんいると思うがその壁とは現状のブリーフシステムが作り上げた壁なのである。
Tコーチングにおいてはこのブリーフシステムを見定め、ブリーフシステムを書き換えることをして行く。
それはこんな感じだ。
俺は10秒以内では走れない!というブリーフシステムを
俺は9秒台で走ることができる!というブリーフシステムに
俺は打率280の打者だ!というブリーフシステムを
俺は打率330以上、ホームラン50本の打者だというブリーフシステムに
私はオリンピック出場もできない!というブリーフシステムから
私はオリンピックで金メダルを取れる!というブリーフシステムに
そんな簡単にできるわけないじゃないか!と思われただろうか?
そんな方は
簡単にできる!というブリーフシステムに書き換えてもらいたい。
次に考えるのはそんな簡単に変われるのかということだ。
続く
ペン立てを買った。
結構、気に入った。
机のまえにずっといてるのでずっと見られている気がする。
そういえば、コーチの存在も似ている。
ずっと頭の片隅にいて語りかけている。
ずっと後ろから、「君ならできる」と見守っている存在だ。
人は不思議とコーチという存在に見守られているとゴールが達成されてしまうものだ。
不思議だがそういうものなのだ。
あなたは人形の背景にあ臨場感を持って、見守ってくれる人をイメージできますか?
またはあなたは誰かにそのような存在としてイメージされていますか?
みんながコーチとなってみんなを暖かく見守る。そしてその人がいなくても感じることができて勇気が湧いてくる。
それがコーチングなのかなと思う。